冷凍保存した魚を解凍する方法として
塩水を使う方法がある。
美味しくいただくためにはどうすれば良いのか、紹介する。
魚の解凍!冷凍魚の解凍と塩水
冷凍魚を解凍する方法は様々だが、
魚の美味しさを保ちながら
簡単にできる方法はどれだろう。
魚を解凍する時、トレーの端に液体が溜まっていることがある。
これはドリップと呼ばれ、
冷凍によって壊れた細胞から染み出した組織液だ。
魚の旨味や栄養素が含まれており、
このドリップを少しでも流れ出さないように
解凍するのが美味しさを保つコツだ。
プロがおすすめするのは塩水を使った「温塩水」の解凍だ。
字のごとく塩を溶かしたぬるま湯で、
マグロやカツオの解凍時に使われる。
一般的に海水の濃度は3%前後といわれており、
マグロをはじめとする魚たちは
塩が浸透した水の中で生活している。
そのため、真水に浸けてしまうと魚の体内に水が入り、
細胞が破壊され体内成分(ドリップ)が流れ出てしまう。
なので、なるべく同じ濃度の塩水を使うことによりドリップの流出を防ぐ。
では、やり方を説明する。
ここではマグロ200~500gの柵を例にあげる。
まず、ボウルに37度の温水1Lに粗塩40gを溶かす。
柵を袋から出し、切りくずなどを落とすため水でさっと洗う。
(旨味を逃がさないため長時間洗わないよう注意。)
先ほどのボウルに柵を入れ、1~2分浸ける。
ボウルから取り出し、キッチンペーパーなどで、
しっかり水分を拭き取る。
柵をキッチンペーパーに巻いて、
ジップロックなどの保存袋に入れて冷蔵庫に入れる。
(皿を使用する場合は、皿ごとラップで包み冷蔵庫へ。)
3~4時間すれば包丁で切れる位の半解凍状態になる。
柵の大きさやグラムによって解凍時間は変わるので、
その都度調整してほしい。
もっと早く解凍したい時は
「氷水解凍」と「流水解凍」がおすすめだ。
「氷水解凍」はボウルにたっぷりの氷水を用意し、
真空パックのまま沈める。
(パック詰めでない場合は袋に入れ、なるべく空気を抜く。)
浮かないようにして、そのまま放置。
溶けてきたら都度氷を足す。
約100gの刺身で、2時間ほどで解凍できる。
こちらも大きによって解凍時間が変わるので確認しながら行おう。
「流水解凍」はボウルに冷凍した魚を袋ごと入れ、流水をあてる。
触って中心がまだ固ければ半解凍状態、
完全に解凍したいなら、触って柔らかくなるまで水にあてる。
焼き魚は冷凍できる?
生の肉や魚、野菜などはよく聞くが、
焼き魚は冷凍して保存できるのだろうか。
実は焼き魚も冷凍することができる。
しかし、魚の種類によっては冷凍保存できない魚がある。
「ししゃも」などの、お腹に卵を持った魚だ。
解凍した時に卵の中の水分が蒸発しパサパサになってしまう。
やり方は、焼いた魚の粗熱が取れたら1つづつ、
なるべく空気が入らないようにラップで包み
ジップロックなどの保存袋またはタッパーに入れて冷凍する。
この時の注意点は重ねないことだ。
身が潰れないように、
できれば平らなところで横にして冷凍する。
焼き魚を冷凍保存した場合の保存期間だが、
約2~3週間が目安といわれている。
それ以上冷凍すると「冷凍焼け」をおこし味が落ちてしまう。
焼き魚は焼いた時にすでに多少の水分が失われているため
解凍時にはパサつきやすい。
なので、できるだけ早めに食べた方が良い。
次に解凍方法だが、生の冷凍魚の解凍と同じで、
やはりドリップが出てしまうと味が落ちる。
「急速解凍」という方法があるが、これはおすすめできない。
焼き魚でも急に解凍すると細胞が破壊されドリップが出てしまう。
あと、「常温解凍」も雑菌が繁殖する恐れがあるため避けた方が良い。
生魚の時同様「氷水解凍」や「流水解凍」が
ドリップの出も少なく美味しさも保てる。
時間があるなら冷蔵庫でゆっくり解凍するのも
ドリップが出にくく美味しくいただける。
生魚も焼き魚も
電子レンジの解凍モードを使うのが一番簡単で便利だが、
解凍ムラができたり、やりすぎたりと慣れるまで上手くいかない。
電子レンジを使う場合は、
こまめに魚の状態をチェックしながら行う必要がある。
まとめ…冷凍ものを美味しくいただくために
どんな食品についても言えるが、
冷凍保存する時は表面の水分をしっかりと取ること、
そしてなるべく早めに食べることが大事だ。